【東京本部】「俳句の会」いろは句会

佐藤 英二

当会は、旧ニチメン社員及び取引先関係者を中心として平成元年1月から始まった句会ですが、本年3月の句会で第412回を迎えた長寿の句会です。俳句に興味のある方はぜひご参加ください。 (月に一度双日社友会室で会合を行っています)

今回は各会員の自薦句(令和5年10月〜令和6年3月)3句をお届けします。

宇治田薫風

憂ひ事ふと思ひ出す曼殊沙華
秋ともし「昴」歌ひし人惜しむ
探梅や行き交ふ人の無口なる

久保田悦子

啓蟄や老いも若きも美容室
城あとに吟詠流れ秋深し
日展のやかたを染むる紅葉かな

近藤厚子

書道展上野の山は春めける
雛あそび三色団子相伴し
よせ鍋やスマホ絵文字の祝ふ古希

佐藤 英二

夢語る教へ子巣立つ卒業期
凛とした朝の息吹や山眠る
電飾の波が眩しき師走の夜

下川 泰子

春を待つ地に杖と立ち影と立つ
老いてなほ知らぬ字にあふ夜長かな
着ぶくれて達磨のごとき我が身かな

福島 有恒

境内に朝の箒目花の冷え
冬欅老優のごと立ち尽くす
余生なほ紆余曲折や冬の霧

藤野 徳子

墨滴の行方定まる筆始
かすかなる風にも乗りてこぼれ萩
指揮棒の佳境に入る年の暮

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