【東京支部】俳句同好会
木田俊治
提灯の浪の果てなき竿燈まつり
暗闇に浮かぶ荒武者ねぶたかな
冷房に一息つきしパビリオン
掌を合はせ仰ぐ那智の滝去りがたし
行き合ひの空流れ行く熊野かな
近藤陽明
原爆忌疎開の友と老いにけり
経を読む朝ひとときの蝉時雨
箒目の残る参道神の留守
語り継ぎ言ひ継ぐ戦火鰯雲
梵鐘の永き余韻や終戦日
谷口一郎
台風来予報士声をうはずらせ
駅前に子供みこしの揃ひ踏み
あたたかき市長の握手敬老日
焚きあげて先ずは仏に茸飯
虫干しや捨てられぬ物まず広げ
野地邦雄
メビウスの輪を描きつつ鷹渡る
こじれたる話とりなし新豆腐
出刃を研ぐ砥石の泥や秋湿り
パステルで描いたやうないわし雲
良き夫を演じて秋刀魚焼きにけり
林 三平
星月夜波音のみの静けさや
新酒酌む友との話長くなり
政局の見えぬ先行秋湿り
横綱の揃いて熱き大相撲
彼岸花時期を違へず自然界
古田陽久
秋の夜や神楽楽しむ外国人
秋うらら恩施玉露の香りけり
マオタイの香る貴州や冬ぬくし
雲南の夏の夜のプーアル茶
五月晴れ野口雨情の記念館
山田良男
様々な挨拶受ける夏木立
一時間耳傾ける蝉しぐれ
空は青無風無音の苅田かな
漸くに開けられし秋の入口
子等の声伸び伸び響く秋木立
*当俳句同好会は通信句会です。
会員の句稿を送っていただき会報とHPに掲載します。
参加希望の方は下記までご連絡ください。
野地邦雄(扉俳句会主宰)
ken-noji@miomio.jp
045-642-3096
