【東京本部】「俳句の会」いろは句会

2024/06/01

佐藤英二

当会は、旧ニチメン社員及び取引先関係者を中心として平成元年1月から始まった句会ですが、本年3月の句会で第412回を迎えた長寿の句会です。俳句に興味のある方はぜひご参加ください。（月に一度双日社友会室で会合を行っています）

今回は各会員の自薦句（令和５年１０月〜令和6年３月）３句をお届けします。

憂ひ事ふと思ひ出す曼殊沙華
秋ともし「昴」歌ひし人惜しむ
探梅や行き交ふ人の無口なる

啓蟄や老いも若きも美容室
城あとに吟詠流れ秋深し
日展のやかたを染むる紅葉かな

書道展上野の山は春めける
雛あそび三色団子相伴し
よせ鍋やスマホ絵文字の祝ふ古希

夢語る教へ子巣立つ卒業期
凛とした朝の息吹や山眠る
電飾の波が眩しき師走の夜

春を待つ地に杖と立ち影と立つ
老いてなほ知らぬ字にあふ夜長かな
着ぶくれて達磨のごとき我が身かな

境内に朝の箒目花の冷え
冬欅老優のごと立ち尽くす
余生なほ紆余曲折や冬の霧

墨滴の行方定まる筆始
かすかなる風にも乗りてこぼれ萩
指揮棒の佳境に入る年の暮